随分前になりますが、写真で尊敬する「The 9th trail.」の9botaさんに『以前の写真のほうが好きでした』と言われた事があります。
ドキッとしました。
そこで言われた以前の写真とは、Pentaxのデジタル一眼レフの第一弾である*istDに43mmの単焦点レンズだけで戦ってた時代の写真です。
APS-Cのセンサーのカメラでしたので1.5倍換算で64mm一本勝負。64mmといえば中望遠、いわゆるポートレートレンズと呼ばれる部類のもので、適度に離れた人物のバストアップ写真を撮るのにちょうどよいくらいの画角となります。
これ、キャンプ場で使うのはなかなか厳しいんです。
・サイト全景を撮るのが難しい。
・集合写真を撮るのが難しい。
・広大な景色を撮るのが難しい。
人間の視界よりかなり狭めた感じの画角なので、とにかく撮りたいものから離れるが基本でした。
とにかく足で稼ぐスタイルの写真だった訳ですが、「安易に全景を撮れない」という条件が、写真に工夫や他とは違う視界を与えていたように思います。
そもそも山の風景なんてこれ以上離れようが無いことも多く、他の要素で工夫するしかありませんでした。
今のカメラはSONYのRX1R。フルサイズセンサーに35mmの単焦点レンズが付いたコンデジです。
12年使ったPENTAXの*istDが完全に不動となったので、今まで使うことができなかった広角に憧れてこれにしました。
これが凄く良いカメラで、以前あった制約がほぼなくなりました。
撮りたいものが普通に撮れます。
でも、その普通に使える感じが写真につまらなさを与えてしまったのも間違いないようです。
なんというか工夫をしなくなりました。
このカメラで撮れる画角は、いわゆるiPhoneなんかで撮れる画角とほぼ一緒。
今多くの人が一番工夫を凝らしていろんな世界を収めようとしてる画角です。
いくらカメラが良くてもただ撮ってるだけじゃ無個性な写真。
甘えから脱却しなくちゃな・・・と思いつつもなかなか難しいですね。
とりあえず、いきなりごまかしの技術からのスタートになっちゃいますが、広角よりのこのカメラの効果を発揮しやすいように、ブログのスタイルを変えて写真を広く見せるように変えてみました。
粗も目立つので、なるべく考えるようにしなければ・・・
コメント
以前は、「これをこう撮るのかっ!」と、驚かされることが多かったんだと思います。なので、ついぽろっと口をついて「前が良かった」風なことを言ってしまったのかもしれません。
露出もフォーカスも色も自動化が当たり前になりましたが、画角・フレーミングはまだ撮影者に委ねられてますね。(自動ズーム、自動トリミング、自動アスペクトとかもあるけど、まだまだ。)
足を使え! 構図を決めたらそこからもう一歩踏み込んでみろ! みたいな体育会系な写真術、実際に構図を考えながらやってみると、けっこういい画が撮れたりすることも。普段のスナップはもっぱら単焦点を使って練習してます。
半年も前の飲み会での言葉なのに変な振り方してすいません。
でも自分にとってほんとにハッとする気付きのあった言葉だったんですよ。
新しいカメラは単純に綺麗に撮れるし暗所にも強くてもちろんオートフォーカスも効くっていうことで満足してました。
でもそれって単に機器の問題であって写真が良くなったわけじゃなく、本質的な写真はむしろ甘えて怠惰になったという事に気づきました。
今思えば前のカメラは「どうやって撮ろう?」を強制するカメラだったんですよね。
壊れるまで撮り方的にもハード的にも色々工夫しました。
そういう気持ちを忘れてました。
写真は機器に使われるんじゃないくて機器を使うものという事を体現してる9botaさんをもっと見習わなければと思った今日このごろです。
甘やかさない良い言葉、ありがとうございました。
また肉会誘って下さい(笑)
タイトルに惹かれて来ました✨
最近、雑技団的な特技以外はなにもできない家事も勉強もなにもできないニョンに不安を感じることがあったので…。
私は写真のことはよく分からないけどあずきさんの撮る写真面白くて好きです(笑)
おっと、雑技団的特技があるだけでもイイじゃないですか〜!
家事も勉強も部活もどれもヤバイですようちの子どもたち。
ニートフラグが立ちまくってるような・・・(汗)