良く羽毛布団と毛布の関係で、毛布が羽毛布団の上の方が良いという話を聞きますが、このことについて自分なりにまとめてみました。
寝床内気象
睡眠時、布団の中に出来る空間の温度や湿度のことを「寝床内気象」というそうです。
その理想環境は、温度33度±1度、湿度50%±5%。
人間の体温は36度から36.5度。ただ、これは体内温度で、表皮の温度は32度程度なのだそうです。
表皮より1度高いというのが心地よい温度なんでしょうね。
ただ、快適に寝れるかどうかというのは湿度の影響が大きいようです。
33度といえば夏の日中の温度相当で、夜はもっと下がりますが、日本の夏は湿度が高いがゆえに寝苦しくなります。
ダウン寝具の特徴
- 厚みがあり、保温力が高い
厚み(ロフト)があればあるほど暖かいです。ダウンにおいては重さあたりの膨らみ(フィルパワー:FP)でその性能を測る事が出来ます。 - 通気性皆無
ダウンが抜けないようにするため、表生地の密度が高く、空気をあまり通しません。 - 吸湿性。放湿性が高い
ダウンは高い吸湿性と放湿性を備えています。ただし、表生地によってはそれを阻害するものもあるそうです。 - その他特徴
ダウン寝具は内部の温度変化が緩やかなため、冷えた空気を含んでいる場合、暖かくなるまで時間が掛かる。
温かくなるほどダウンが膨らみ、より保温力を高める効果がある。
一度暖かくなると、冷えにくくなる。
毛布の特徴
- 薄いが保温力が高い
毛布は薄いですが薄いなりに保温力があります。 - 通気性が良い
薄いこともあって通気性は良いです。 - 吸湿性。放湿性は素材による
ウールの毛布は高い吸湿性と放湿性を備えてますが、アクリルやポリエステルの毛布は吸湿性があまり良くありません。 - その他特徴
素材的に起毛してたりで触った瞬間から冷たくない。
薄い保温層がすぐ出来る為、暖かくなったと感じるまでも早い。
同じように冷えるのも早い。
こんな感じでしょうか。
で、本題のダウン寝具と毛布の順番ですが、結論を先に言えば
「ダウンが下のほうが暖かい」
ということで間違いないかと思います。
ダウンの温まれば膨らみ、性能アップする特徴を考えると、発熱体である人体に一番近づけて性能アップを図るのが効果的です。
毛布等を間に挟むと、それだけダウンに熱が届くのを妨げる事になります。
湿度の面でも吸湿性の放湿性に優れたダウンは快適な空間を作りやすいようです。
毛布は触った瞬間冷たくないため下に入れた方が暖かい・快適という感覚を持ちやすいですが、毛布によってダウンの冷えが伝わらないのはそれだけ熱を伝えにくくなっているということです。
わかりやすく図にしてみました。
寝床内気象において、理想の33度は体表に近い方が実現しやすく、かつ厚みのあるダウン寝具の方が、安定した快適空間を作り出しやすそうです。
同じように服装も薄着のほうがダウンに熱を伝えやすくなる為、ダウンの保温効果を高める良い方法だと思います。
ただし、これはあくまでダウン寝具が十分な性能を持ってる場合でしょうね。
毛布と違って衣服は外側の保温に使うことは出来ないので、ダウン自体が性能不足である場合、服を着てかさ増ししたほうが良いと思います。
外側に毛布を持っていく意味としては、図にも描きましたがダウンへ直接当たる冷気を軽減し冷やしにくくする効果を狙ってのことです。
ちなみに毛布ではありませんが、シュラフカバーを使うと0度以上の環境だと2~3度、0度以下だと1~2度の保温力アップを期待できるそうです。
ナンガのオーロラははじめから防水シュラフカバーと同等の機能を持っているため、他の同量のダウンシュラフに比べ、2~3度保温力が高い設定となっています。
結果的にダウンを温めるということが最大の効果を得ることに繋がりますので、事前に湯たんぽ等で温めておくのが最も効果的な睡眠準備となります。いわゆるプレヒートです。
事前に体温を高めておくのも効果的なので、寝る前に温泉に入るなんてのもいいですね。
アウトドアなので環境や条件によって一概に言えないところもあると思いますが、原理を把握した上で工夫すれば、より暖かく快適に過ごせる可能性があります。
「十分な機能のシュラフを持ってるはずなんだけどなんだか寒い」という方は参考にしてみてください。
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流石にこの温度で快適を維持するには代謝改善しないと無理でしょうね・・・
コメント
お疲れ様です。
うーん、どうなんですかねぇ?^^;
毛布で断熱、羽毛で保温、というのがやっぱり逆のような気がして。
> 大空を自由に舞う小鳥さん
おぉ、コメントありがとうございます!
小鳥さんがこの記事を読んだらコメントしてくれると嬉しいなと思ってました!
布団も毛布も両方とも保温(長時間熱を保持する)と断熱(熱の出入りを抑える)機能を持っており、保温性、断熱性共に布団のほうが高いんです。
要は布団が必要十分であれば毛布はそもそも不要だと思います。
といいつつ、毛布が下にあったほうが暖かいという考え方も出来ます。
それは冷えた布団対策。
布団のを温める熱源が体温である以上、最初冷えきった布団は人体の熱を奪います。
保温するということは保冷するということなんです。冷えた布団は当面保冷層です。
なので、毛布という反応がスピーディーな断熱・保温材が布団との間に入ることによって、冷えた布団に熱を与えるのが緩やかになるという効果があります。
布団にゆるやかに熱を伝えるので安定した暖かさになるまで時間が掛かりますが、その緩やかな熱の奪われ方が暖かいとも言えます。
ただ全体で考えた場合、温度が安定した後の寝床内気象は安定した温度を維持し、調湿機能の高い布団が人に近いほうが暖かい(=快適)になる可能性が高いという話となります。
そんなこんなで、シュラフであれば効果的なのは内側の毛布よりシュラフ自体を守るシュラフカバー、そして事前に温める湯たんぽになるのではという話だったりします。
毛布が断熱として優秀ってわけじゃないんです。あくまで補助ですよ~。
・・・あ、小鳥さんが見てくれてたのでコメント張り切りすぎました(汗)
わたしは毛布は内側派です。
毛布をくしゃ と丸めて、
抱き枕代わりにするのが好きだからです。(笑
> MOMOパパさん
それ多分一番賢い使い方です。
最初毛布で布団の冷たさをガードして、ある程度布団が温まったら丸めて抱き枕化。
最高にクール・・じゃなかったホットな使い方です(笑)
こんにちは
さすが、kuroazukiさん。分かりやすい!
これなんだか実感として分かります。
ほんとに寒いときは毛布を背中側にひいて
羽毛布団だけ上にかけて寝ています。
> akimichiさん
ありがとうございます!
でも無駄に長くなってしまって逆にわかりにくくなった気がします。
そうそう、毛布を背中側に敷くのが一番暖かいですよね~!
下側が保温層的に一番手薄ですし。
背中側といえばexpedのダウンマット試してみたいです。
張り切っていただきありがとうございます。(笑)
温度が安定した後の寝床内気象は安定した温度を維持し、調湿機能の高い布団が人に近いほうが暖かい(=快適)になる可能性が高い
の部分なんですが、「毛布上」の図に少々疑問がありまして。
羽毛布団はデッドエアーで熱を伝えにくいと考えると、温まるのは体の近くだけで外側は冷たいまま、毛布はなんの有効機能も発揮せず、単に羽毛布団のロフトをつぶすだけになるのではないかと思っています。
そうであれば、安定した温度の維持は難しいのではないでしょうか?
それほど自信はありません。w
> 大空を自由に舞う小鳥さん
上では張り切りすぎたので今回は短めに(笑)
重たい毛布で潰したらまさに言われるとおりだと思います。
羽毛とはいえ外に熱は逃げますから、軽い毛布であればダウンの外側での断熱と冷気侵入を和らげる効果はあるとは思います。
・・・でもまぁその分ダウンが厚い方が効果あるとは思います。
あと自分の経験では上に乗せた毛布はすぐ何処かに行きます(笑)
繰り返しになっちゃいますが暖かいの解釈が違うんだと思うんですよね。
毛布は素早い変化で冷たいを防ぐ道具(=暖かい)で、布団はゆっくりした変化で暖かいを長く維持する道具だと思ってます。
熱源が豊富な人はダウン内側で外遮熱でいいと思いますけどね。
冷え性など手足ひえひえな人がダウン内側だと自熱が足らずの感覚だからいっそのこと肌のところで遮断した方が温かく感じられると思いますね。外温を伝わりにくくする感じかな。
熱伝導の変化をグラフにするとよくわかります(笑)
それからマミー型のシュラフは結局身体に密着する範囲が少なく空間ができるので寒く感じる人もいますよね。
肌に密着するインナーシュラフを活用するのもひとつの手かなと。
因みに仰向け、横向き寝方も考慮しないとトータルでは語れないですよね(笑)
面倒ならば基礎体温を上げるのが一番ですww
> sunocomodokiさん
あはは、そうなんですよね〜。
結局は基礎代謝の高い体温高いのが最強だったりしますね。
私も代謝が高いタイプなんで体温で温められる視点になっちゃいます。
フードのドローコードをしっかり締めるのをやらずにスースーして寒いって人もいるのでまずは正しい使い方ってのも大事ですね。
あとやっぱり湯たんぽ最強ですかね(笑)