私がカメラのRAWデータを使う理由

10年以上使ってきたデジタル一眼レフカメラ「PENTAX *istD」
私はこのカメラで、JPEGではなくPENTAX RAW(PEF)データで記録しています。
先日カメラが新しくしなったので、一旦このRAWデータを整理することにしました。

ところでこのRAWデータ。一般的にはあまり使われてませんね。
良い機会なので私がこれを使う理由について書いてみます。

RAWデータのメリットはざっくり2つあります。

非圧縮


JPEGファイルは、ファイルサイズを大幅に抑えるため、画像劣化と反比例する形で圧縮されます。
拡大すると、ブロックノイズという四角いノイズと、モスキートノイズという輪郭周辺にパラパラとしたノイズが乗ります。
圧縮率が高ければ高いほど、保存を繰り返せば繰り返すほど、これらのノイズは目立つようになります。(※上の図は圧縮しすぎた例)
RAWデータでは画像の圧縮に関わるこれらのノイズは一切ありません。

多階調


JPEGは光の三原色の一色あたりが256段階(8bit)の階調として記録しています。
デジタルカメラのセンサーは本来4,096階調(12bit)や16,384階調(14bit)といった、多くの階調を持っているのですが、JPEGに変換する際に間引かれます。
カメラの設定にある「エクストラファイン」のような高画質設定であっても、JPEGである以上かなりの階調情報を捨てているのです。
RAWデータではセンサーの出力した階調をそのまま保存します。
多階調のメリットは本来グラデーションの美しさと言いたいところですが、実際はそれを鑑賞する方法があまりありません。
なので加工性の良さという形でメリットを享受することになります。

具体的な例を出してみます。

ホワイトバランスが赤に転び、その上露出不足になってしまった写真です。
オートホワイトバランス機能の弱いカメラで電球の下で撮るとこんな感じになることがあります。
これを明るくしようとJPEGから頑張って加工すると、こんな感じです。

色は見やすくなりましたが、古いアルバムの写真のようになりました。
暗い部分をむりやり広げたので階調のステップが少なくなり、ディティールを失っています。

これが、オリジナルのRAWから編集するとこんな感じになります。

しっかりとディティールの残った写真となります。肌や布の階調が自然です。このRAWは12bitの4096階調が残ってるデータなので、暗い部分の階調を広げても余裕があります。

RAWのデータなんてプロの使うデータというような印象もありますが、実際はプロよりも状況に応じたカメラの設定や照明がうまく出来ない素人のほうがメリットが大きいのです。私がRAWデータを使う理由はすばりそれ。

そんなRAWファイルなんですが、デメリットも2つあります。

ファイルサイズが異様にでかい


JPEGであれば40KBくらいの写真であっても、RAWだと10MBを超えます。20倍30倍は当たり前。
RAWで撮るならメモリカードの容量も大きくする必要がありますし、写真データの保存にも悩みます。

フォーマットが各社バラバラで汎用性がない


JPEGは全メディア共通のフォーマットで、PCだろうとスマホだろうと問題なく表示できます。
写真データ=JPEGと言っても良いほど浸透したフォーマットです。
RAWはカメラメーカーで仕様がバラバラ。カメラ毎にも違います。
専用のソフト無しにそのまま表示できる機器がほとんどありません。
もちろんツイッターにもインスタグラムにもそのままではアップできません。
将来、古いカメラのデータ形式は対応する必要がないと判断されたら使えなくなる可能性もあります。
この2つのデメリットのためにGoogleフォトのような無料の写真サービスではRAWデータをバックアップできません。
一般的には写真が美しくなる可能性というメリットよりも扱いにくさというデメリットの方が強いのではないかと思います。
・・・長くなりすぎました。
で、そんなRAWデータ、これまでただただHDDの肥やしとしてためていたのですが、この度、全部使いやすいDNGファイル形式に変換することにしました。
DNGファイル形式とは、Adobeの作った各社バラバラのRAWを共通化したフォーマットです。
DNGでは圧縮方式が選択でき、非圧縮のPENTAXのRAWよりもファイルサイズが格段に小さくなります。

あ、上のでメリットとして書いた「非圧縮」と相反するじゃないかと思われるかもですが、ここでいう圧縮は「可逆圧縮」。完全に元に戻せる圧縮方式なのです。DNGではより圧縮性能を高めた「非可逆圧縮」方式も選択できますが、こちらは元には戻せません。
DNGへの変換を試したところ、可逆圧縮変換で50%、非可逆圧縮オプションで17%のサイズになりました。
非可逆圧縮でも階調性、ノイズ、共に十分満足出来る結果が得られたのですが、今回はオリジナル重視で可逆圧縮とします。
DNGではPENTAXがPEFに独自に追加したデータも一部失われてしまうのですが、そこは今後不要だろうということで割り切ります。
ファイルサイズも抑えられることでAmazonプライムフォトなどのバックアップ選択肢が増えそうです。

さぁ、この作業。5万枚のデータに対して何日掛かるかな。
編集確認作業で一週間、DNG変換で丸一日・・・くらいかな。
縦画像を横のまま上げちゃったGoogleフォトもやり直し(既に3回め)したら今年度中は無理かも・・・・

“私がカメラのRAWデータを使う理由” への 6 件のフィードバック

  1. すみません、僕はまったくそのへんの知識がないのですが質問してもよろしいでしょうか?
    RAWデータって、現像?編集?作業が必要だと、カメラ購入時に聞いた記憶があるのですがあってますか?
    また、家のノートPC、グラフィックボードがない低画質PCなんですが、こんなのでも編集可能なのでしょうか?
    普段はそこまで画質にこだわりは無いのですが、節目の写真位は綺麗に残してあげたいと思っています。

    1. > culuzouさん
      RAWファイルからJPEGを作ることを現像と言います。
      RAWはそのままでは見れないケースが多いので、これからツールを使ってJPEGを出力する必要があるんです。
      これは全部ちゃんとやろうとするとかなり面倒な作業だったりします。
      ただ、Lightroomといった有名な現像ソフトは優秀なRawビューワーでもあるので、そういうものを使えば現像せずともそもまま見れます。
      MAC標準のiPhotoやPhotosなんかでも見れます。
      なので私は印刷したりブログにアップする物しか現像しません。
      で、古いパソコンで現像できるかという話なのですが、カメラ付属、もしくはメーカーサイトからダウンロードできるツールでまず試してみるのが早いです。
      これなら無料で試せます。
      耐えれるかどうかは実際やってみないとなんとも言えないですが、最近の高画素カメラのRAWを扱うにはそれなりのマシンスペックが欲しいかもです。
      ただ私は15年前の高スペックではない普通のWindowsマシンでRAWを使ってましたので、出来るか出来ないかで言えば出来ると思います。
      ・・
      あー、やっぱり重たかったかなー。
      面倒だったのでPENTAXのRAWを見れるこんなツールを自作してましたし。
      ttp://shiroazuki.jugem.jp/?cid=1
      どっちみち、ぶっつけ本番ではなく普段使いで試してみるのが一番です。
      あとRAW+JPEGで保存出来るカメラであれば、JPEGはこれまで通り使えるので、それが一番良いと思いますよ!

  2. 読んで、はじめてRAWの事が分かりました笑。
    プロやカメラ詳しい人向けだと思い込んでいましたけど、こんな使い方で分けてもいいんですね。
    手間をかけたい写真だけなら現像も苦にならなさそう。
    ひとつ学べました。ありがとうございます!

    1. > ばるさん
      先日一緒に仕事したプロのカメラマンは照明とか完全にコントロールしてましたのでRAWとか使わずJPEGで数を撮ってましたよ。
      スタイルによるのかもですね。
      今はOSがRAWをサポートしてたりするので昔ほどハードル高くないと思います!

  3. 御回答ありがとうございました。
    早速、娘の卒園式RAW+JPEGで撮影してみました。
    RAWデータに関してはもう少し勉強してから手を付けてみたいと思います。もしかしたら、そのまま手付かずで先送りされ子供達にデータのまま渡す事になる可能性も…(笑)
    ありがとうございました。

    1. > culuzouさん
      おぉ、卒園おめでとうございます!
      RAW+JPEGだと気軽ですよね!
      要らなければ捨てれば良いだけなのでうまく使ってみてくださいね。
      特に撮るのが難しい環境で力を発揮しますよ!

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